診察はご予約の患者様を優先しております
こんにちは。院長の青木です。
開院まで時間もありますので、今日は目の病気のサインについて書いてみたいと思います。
動物眼科を学び始めて十数年になります。多くの目の病気を見てきました。
残念ながら治療の甲斐なく失明させてしまった経験も少なくありません。
僕の力不足が原因ではあるのですが、あと少し早く治療を初めてあげられれば救えたのに、、悔しい思いをすることもありました。
ペットは自分で目の違和感を伝えることができないので、どうしても病気が進行してからの発見になってしまいます。
病院に来た時にはもう失明してしまっていることも少なくありません。
目の治療の成功の鍵は「病気の初期」に見つけ治療開始することです。
今日は皆様の愛犬愛猫の目の病気をいち早く見つけるように、目の病気のサインを皆様にお伝えできればと思います。
ペットの目の病気のサインは主に下記になります。是非覚えてください。
①目やに
②目を開けづらい、目をつむっている
③目を擦る
④白目が赤い
⑤黒目が濁っている(白く、赤く、黒く)
⑥目が大きくなっている、小さくなっている
一つひとつみていきましょう
①目やに
目やには正常でも出ます。いわゆる目の垢です。
この目やには病気の時に増えることがあります。
さらさらしていたり、ネバネバしていたり、匂いがしたり黄色かったり茶色かったり灰色だったり。
もし普段と違う目やにの色、性状、匂いであれば病気の可能性がありますので、病院に行きましょう。
目やには診断のための貴重な材料です。可哀想ですが目やにを拭かずそのまま連れて行ってください。
②目を開けづらい、目をつむっている
目の違和感、痛みのサインです。
大きな病気のことも小さな病気のこともありますが、この状態だと目を擦ってしまい、大きな傷をつけたり、ばい菌が入ってしまうことがあります。
どうしても病院に行くまでに時間がかかってしまう場合はカラーをつけて目を守ってあげてください。
③目を擦る
上記と同じ目の違和感、痛みです。まずはカラーをつけましょう。
アレルギーや毛包虫などの皮膚炎のこともありますので、眼科疾患との鑑別が必要です。
④白目が赤い
目に炎症が起こっている可能性があります。
目にゴミが入ったなどでも充血しますが、充血が一晩経っても治らないや上記の他の目のサインを伴っている場合は病気の可能性が高いです。
充血はほとんどの目の病気で出るので非常に大事なサインです。
しかし犬や猫のめは普段白目が隠れている(視線を隠すためとも言われています)ので、眺めているだけでは見つかりません。
上まぶたをしっかりめくって見てあげてください。
⑤黒目が濁っている
目は光を網膜まで綺麗に届けなければならないので透明にできています(角膜、眼房、水晶体、硝子体、これらの透明な部分を透光体と呼びます)。
ここが濁っていると病気となります。
角膜潰瘍、角膜ジストロフィー、角膜炎、緑内障、白内障、ぶどう膜炎、網膜剥離など失明に繋がる病気は黒目の濁りとして出ることが多いです。
普段黒い部分で濁りを見つけづらいのですが、ライトなどで光を当ててあげると見易いと思います。
病気を見つけようとあまり長くライトを当てると目に良くありませんのでお気をつけ下さい。
⑥目が大きいくなっている、小さくなっている
緑内障や眼球ろうといった病気にかかっており、失明している可能性があります。
特に目が大きくなる慢性緑内障は、症状がなくても痛みが続いていたり、今後目が乾いて角膜が痛んでしまう可能性があります。
お早めにかかりつけの獣医師にご相談ください。
何か上記に当てはまるものがあれば目の病気の可能性があります。
あまり我慢せず、かかりつけの先生にご相談くださいね。
八ツ木の丘動物病院 院長 青木進士
(※八ツ木の丘動物病院;芳賀町の動物病院。
眼科を中心に診察を行っています。
お困りのことがありましたらいつでもご相談にいらしてください。
宇都宮、高根沢、ゆいの杜、那須烏山市に隣接しています。)